脳ドックとは
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などは生命を一瞬にして奪ったり言語障害や麻痺など重い後遺症をもたらすことも少なくありません。これらの病気は発症してからの治療では遅く、発症自体を予防することが重要です。当院脳ドックはMRI検査によって脳の病気のリスクを評価して今後起こりうる障害を未然に防ぐことを目的としています。
自覚症状がなくても40歳を過ぎたら受診しましょう
人間ドックはご存知の方も多いでしょう。健康診断以上に多くの項目を精密に検査するというイメージがあると思います。脳ドックは脳を対象とした精密検査です。予防医療の観点から40歳を過ぎると人間ドックで詳しく病気の有無を調べることをすすめられます。脳も同じ体の一部ですから、同年齢で検査することが望ましいといえます。
たとえば、脳卒中は突然襲ってきます。自覚症状はほとんどありません。日頃ふらつきもしびれもないから大丈夫と思っていても、昨日まで元気だった人が突然脳梗塞で倒れたなどという話はよくあるケースです。特に高血圧の症状がある方、糖尿病で薬を飲んでいる方などは、そのリスクが格段に高いということを自覚しておく必要があります。
高血圧や糖尿病、脂質異常症の既往症がある方、ご家族で脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管障害があったり、心筋梗塞や狭心症などの心臓疾患があったりする方はもちろん、40歳以上で自覚症状がない方も、脳ドックを受診することを強くおすすめします。
脳ドックはこのような人にお勧めします
- 家族に脳の病気をした人がいる
- 今後脳の病気にならないか心配な方
- 高血圧、糖尿病、肥満、物忘れ、めまいのある方
検査に際しては痛みなどの苦痛はありませんので安心して受けることができます。
脳ドックでわかること
脳ドックの目的は、予防の観点から、突然発症するおそれのある脳卒中リスクを早期に発見することです。MRIやMRAという画像診断装置を使い、立体的に縦・横・斜めなどあらゆる方向からの頭部、頸部の断層撮影を行います。詳細な断層画像によって、小さな病変もより発見しやすくなります。また磁気を使った検査で放射線を使いませんので、その点でも安心です。
MRI検査
MRIは日本語では磁気共鳴映像法、核磁気共鳴画像法などと呼ばれます。強い磁場の中に横たわり電波を照射して人体内部の水素原子の変化(磁気共鳴)を捉え、それをコンピュータで解析することで、人体内部の詳細な断層画像を得ることができます。縦・横・斜めなど自由に断層撮影ができます。頭部MRI検査では主に脳梗塞リスクを検査します。
MRA検査
MRA検査は、MRIの機器を使用し、体内の血管の状態を詳細に画像化することができる検査法で、日本語では磁気共鳴血管画像法とよばれています。血管造影剤を使う方法と使わない方法があり、使わない方法は撮影時間も短く簡便に検査を行うことができます。
頭部MRAでは、頭の中の重要な血管の変化を調べて、主にくも膜下出血を引き起こす未破裂脳動脈瘤を検査します。また、頸部MRAでは、全身の動脈硬化の具合が顕著に現れる頸動脈を調べることで、動脈硬化の進み具合を調べます。
脳ドックの検査でわかる病気
脳ドックでMRIやMRAなどのさまざまな検査を行うことによって、脳に関する既往症や前兆症状など、多くのことが判明します。例えば以下のようなことを知ることができます。
- 脳卒中(脳出血・脳梗塞)があるかないか
- 脳動脈瘤や脳血管の奇形があるかないか
- 脳腫瘍があるかないか
- 脳動脈や頸部動脈が狭くなったり塞がったりしていないか
- アルツハイマー性認知症にみられる脳萎縮があるかないか
- 脳血管障害による認知症のリスク予測
当クリニックの脳ドックの特徴
高性能1.5T(テスラ)のMRI完備
当クリニックではMRI機器として、キヤノンメディカルシステムズ株式会社製1.5T(テスラ=磁力線の強さの単位で磁束密度を表します)VantageElanを導入、精密で迅速な画像診断で、脳卒中や脳腫瘍など脳の疾患の早期発見をサポートしています。
脳ドック検査は24時間ネット予約可能
突然襲ってくる脳卒中の予防のために、定期的に脳の状態を検査しておくことはとても重要です。思い立った時にすぐに受診いただけるように、当クリニックの脳ドックは24時間ネット予約が可能です。お気軽にご来院ください。
脳ドックが22,000円(税込)
当クリニックでは、できるだけお気軽に脳ドックを受診いただけるよう、また定期的に脳ドックを受診していただけるよう、スタンダードコース22,000円という低価格に抑えました。定期的な脳ドックで早期発見・早期治療を行い、脳障害のリスクを未然に防ぎましょう。
検査結果は当日ご説明
MRIやMRAの画像診断結果については、終了後すぐに画像をご覧いただきながらご説明いたします。クリニックでは検査結果を画像とともにCD-Rなどのメディアに記録し、後日郵送にてお送りしています。
脳ドックのコースと料金
当日ご予約可能!土曜日や平日夕方のご予約も承ります。
コース | 料金(税込) |
---|---|
スタンダードコース (脳MRI・MRA・頚部MRA) |
22,000円 |
認知機能検査付きプラン(55歳以上の方) (脳MRI・MRA・頚部MRA・VSRAD) |
25,000円 |
脳ドック受診のながれ
- 問診・診察
- 頭部MRI/MRA,頚部MRA
- 結果説明
その後数日で脳ドック結果を画像のCD-Rと共に郵送したします。
脳ドックが受けられない方
MRI検査では、強力な磁場をつくって画像を得ます。磁力に反応する金属や電子装置などを身体に装着している場合には、脳ドックを受診できないことがあります。具体的には以下のような例では脳ドックを受診できないか、主治医に相談する必要があります。
- 心臓ペースメーカーや除細動器を装着している方
- 脳深部刺激装置や脊髄刺激装置を埋め込んでいる方
- 人工内耳や人工中耳を埋め込んでいる方
- 可動型義眼や眼窩内に金属片がある方
- 子宮避妊具を装着している方
- 以前に頭部のシャント手術や脳動脈瘤のクリップ手術を受けたことがある方
- 過去2~3カ月以内に内視鏡検査によって内視鏡的な手術を受け、止血用クリップなどが使用されたことがある方
- 1カ月以内に血管内ステントや血管内フォルダーが挿入された方
また、これ以外の場合でも、妊娠の可能性がある方、磁石式義歯、カラーコンタクトレンズなどを使用している方、アイシャドウ、マスカラなどを使用している方(金属成分を含むことがあるため)、入れ墨・アートメイクなどがある方、閉所恐怖症である方などの場合、検査を受けることができないことがあります。検査中に患者様のお身体に材質が確認できない金属が見つかった場合、検査が中止となることもあります。詳細については、事前に当クリニックにお問い合わせください。
脳ドックについてのQ&A
脳ドックと人間ドックはどう違うのでしょう?
人間ドックは全身を多項目にわたって検査し、隠れた疾患や生活習慣病がないかなどを調べるものですが、脳ドックは脳と脳の血管の状態を検査し、脳卒中や脳腫瘍など、脳の疾患を専門的に調べます。
脳ドックによってどんなことがわかるのでしょう?
脳や脳に関係する血管の状態などを画像診断して詳しく調べることで、脳動脈硬化などの血管障害による脳卒中のリスクの程度がわかったり、脳動脈瘤や無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)が見つかったりします。隠れ脳梗塞は認知症の危険因子とみられています。
脳ドックではどんな検査をするのですか?
基本的なコースでは、問診、脳MRI、脳MRA、頸部MRAです。その他オプションとして認知機能検査を付け加えることができます。
MRI検査とはどういうものでしょう?
MRI検査とは、トンネル状の装置がつくる磁場の中に横たわり、特定の周波数の電波を当てて人体内部の水素原子の動き(これをMR:磁気共鳴といいます)をコンピュータによって断層的に画像化することで、体内の様子をつぶさに調べる検査です。縦・横・斜めあらゆる方向からの撮影が可能で、脳や脳に流れ込む血管の状態を詳細に観察できます。磁力を利用しているため、放射線(X線)を利用するCTと違い、人体への影響がないのも特長です。 ただし、身体に金属が入っている方、その他MRIが使用できないケースがありますので、事前に「MRI検査案内書」お読みいただき、あるいは医師にご相談ください。
MRI検査にはどのぐらいの時間がかかるのでしょう?
MRIにかかる時間は約15分から30分程度です。大きな音が避けられない機器ですが、静音化も進んでおり、また撮影時間も短くなっていますので、大きな支障なく検査を受けていただけます。
脳ドックを受けるのに適正な年齢はあるのでしょうか?
一般的には、人間ドックと同じように40歳からの受診をおすすめしています。受診者は40歳代以降の方が多いのですが、検査によって脳や血管の先天的な異常が発見されることもありますので、若い方でも一度受診してみられることをおすすめします。 脳卒中の最大の要因は高血圧で、その他にも肥満や高血糖の方、また喫煙やアルコールを摂りすぎる人などにリスクが高いといわれます。こうした方は年齢に関係なく受診をおすすめいたします。
閉所恐怖症ですが、脳ドックは受けられますか?
事前に担当医師にお伝えください。程度によっては検査が苦痛になる場合もあり、受診できないこともあります。 どなたの場合でも、検査時には呼び出しボタンをお渡ししています。辛い時には我慢せずに押していただき、検査スタッフにお伝えください。
脳ドックの費用はどのぐらいでしょう?
基本コースの脳MRI、脳MRA、頸部MRAのみの場合、22,000円(税込)となっております。またこれに認知機能検査を加えたコースは25,000円(税込)でお請けしております。
脳ドックは健康保険適用ですか?
発病前の検診ですので健康保険適用外です。また、治療のための検査ではないため、医療費控除の対象にもなっていません。お勤めの企業やお住まいになっている自治体が独自の補助金を設けている場合もありますので、詳しくはそれぞれにお問い合わせください。